悲しみと怒りのキーウ

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共同通信
ウクライナ首都キーウで国旗と同じ色の青と黄の花を持つ女性=24日(共同)

 【キーウ共同】ロシアの侵攻が始まった1年前とは異なり、爆発音も空襲警報もなく、平穏に明けたウクライナ首都キーウ(キエフ)の24日朝。中心部の広場では修道院の外壁に並ぶ兵士の遺影を見つめ、親族らが涙をこぼした。近くの教会では、兵士数百人が整列する中、ゼレンスキー大統領が現れて国歌が演奏された。ウクライナはこの日、悲しみと怒り、勝利への願いに包まれた。

 氷点下3度まで冷え込んだ曇天のキーウ。戦死兵の写真がずらりと張られた聖ミハイル黄金ドーム修道院の壁の前を市民が次々と訪れた。ウクライナの国旗と同じ青と黄の花を手向ける親族。すすり泣く人々も。

 志願兵として前線に赴き、ロシア軍に殺害された卒業生の遺影の前で、高校教師オクサナ・マルチェンコさん(37)は「胸が張り裂けそう。でも私たちは国を守らなくてはならない」と語った。

 ロシア軍の攻撃で親戚を亡くした女性飲食店員アンゲリナ・プリホディコさん(19)は「本当に恐ろしいのは、私たちが戦争に慣れてしまったこと。ミサイルが飛んできても驚かなくなってしまった」と話した。