トルコ、ずさん建築怒り収まらず

Published by
共同通信
地震で崩壊した14階建てマンションの跡地=13日、トルコ南部アダナ(共同)

 トルコ・シリア大地震で、トルコの被災地では安全対策をおろそかにしたずさんな建築やそれを認めた行政への非難が収まらない。震源地から離れ、倒壊被害も比較的少なかった南部アダナ。複数のマンションが立ち並ぶ一角で1棟だけ崩壊した場所がある。「周りは無事だった。なぜここだけ」。親族を亡くした女性は施工業者らに怒りをあらわにした。

 14階建てマンションがあった場所はがれきが撤去され更地になっていた。周囲の棟は残り、そこだけが異様な空間だ。周辺住民は、崩壊した1棟は築20年前後で他の棟と差はなかったとした上で、1階部分を事業所に改築する際に支柱を取り除く工事が行われていたと証言した。

 おい一家4人を亡くしたファディメ・バイドゥルさん(66)は「もし(支柱のことを)知っていたら住まなかっただろう。黙っていた施工業者は詐欺師だ」と非難した。地元メディアによると、この現場で100人前後が死亡。当局は施工業者の責任を問う方針だ。

 トルコでは倒壊で死傷者が出た責任を問われ、工事関係者100人以上が拘束された。