電力会社へ罰則強化を検討

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共同通信
経済産業省

 大手電力会社が競合する新電力の顧客情報を不正閲覧した問題の再発防止に向け、経済産業省が罰則強化の検討に入ったことが2日分かった。合わせて、電力会社に対する監査を拡充する。罰則強化は、政府の有識者会議が同日まとめた提言にも盛り込まれた。提言は、大手電力と送配電子会社の完全分離にも踏み込んでいる。罰則や監視体制の強化とともに、今後の政府内の議論で焦点となりそうだ。

 電気事業法は、大手電力の送配電子会社が保有する顧客情報を、大手の小売部門と共有することを禁止している。小売り自由化後に参入した新電力との間で、公正な競争環境を保つためだ。

 違反行為があれば経産相が是正を命令し、命令にも違反すると300万円以下の罰金を科す。それでも大手の不正が続発したため、同省は命令を経ない直接の処罰や罰金の増額などを探る。また電力会社への監視については、現状で年1回の送配電事業者への監査回数を増やすことや、調査範囲の拡大を検討する。