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共同通信
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プロ野球日本ハムが本拠地を新球場「エスコンフィールド北海道」(北海道北広島市)に移転することを受け、昨季までの本拠地で札幌市の第三セクターが管理、運営する札幌ドームの先行きに暗雲が漂っている。市はサッカーの試合数増加やコンサート開催で、2027年度までの5年間で黒字化するとの試算を示すが、専門家は「疑問」と懸念を表明している。
23年度以降は収入の約3割を担っていたプロ野球の試合がなくなるが、市はサッカーJリーグの北海道コンサドーレ札幌の試合数を増やすほか、2万人程度のコンサートを開催できるようにすることで「埋め合わせは可能」とみている。
市が昨年6月に公表した収支見通しでは、23年度は約2億9400万円の赤字だが、24~27年度の4年間はいずれも黒字で、5年間トータルでも900万円の黒字を見込んだ。
ただ実現性を疑問視する意見は多い。22年に行われたコンサドーレ札幌の試合は18試合。札幌市内には1万人前後を収容できる施設がほかにもあり、コンサート会場としてのニーズも見通せない。