差別待遇「むなしさ残る」

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共同通信
記者会見で労働実態を説明する凸版印刷の40代の女性社員=7日午後、厚労省

 印刷大手の凸版印刷でフレックスタイム制での勤務が認められず、差別的待遇だとして労災認定された40代の女性社員が7日、東京都内で記者会見し「仕事を頑張ってきたのにむなしさだけが残った」と語り、職場環境の改善を求めた。

 労働組合「総合サポートユニオン」によると、女性は障害のある子どもを療育施設に送迎するため、2020年11月ごろフレックス制を希望したが、上司の許可なく残業したことを理由に認められず、残業時間の過少申告などを理由に懲戒処分を受けた。

 女性は会見で、業務量が多く「調整を求めて上司に相談したが解決しなかった」と無許可で残業した理由を説明。懲戒処分後はベッドから起き上がれないほど心身ともに追い込まれたと訴えた。

 労組によると、女性は精神障害を発症し、22年4月に中央労働基準監督署(東京)から労災認定された。今月からフレックス制の適用が認められている。

 凸版印刷は取材に「労災認定の内容は認識と異なる」とコメントした。