移民博物館に展示品戻る エリス島設備修理完了に伴い

 2012年10月に米北東部を襲ったハリケーン「サンディ」で被害を受けた、20世紀の移民文化を伝えるエリス島移民博物館の200点以上の展示品が10日、同博物館に返却された。展示品はインフラ設備の修理のために運び出されていた。
 同博物館ではサンディによる被害はほとんどなく、水位は1階にまで達しなかったので展示品自体は全く被害を受けなかったが、島内の電気、通信、水道、下水設備が被害を受けたため、今後の水害に備え3940万ドル(約47億円)をかけた大掛かりな修理が行われていた。
 修理に伴い、移民が乗って来た汽船の乗船券、パスポートや子どもの靴など展示品のおよそ半分が予防措置として博物館から運び出され、倉庫に保管されていた。戻ってきた展示品を再設置などする改装は16日から開始され、10月初めに完了することが予定されている。
 自由の女神・エリス島財団の最高責任者スティーブン・ブリガンティ氏は、「これらの展示品は、海を渡り米国にやってきた全米に住む移民家族から寄贈された個人的な品々で、移民の経験を真に甦らせる」と述べた。
 ニューヨーク湾にあるこの島にはかつて連邦移民局が置かれており、1892〜1954年までの間に、1200万人以上の移民が入国手続きを行った。

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