手の届かないNYCの家賃 最低賃金労働者は暮らせない

 不動産サイト「ストリート・イージー(StreetEasy)」がこのほど発表したデータによると、最低賃金労働者が無理なく暮らせる家賃価格帯の地域は、ニューヨーク市には皆無であることが分かった。
 同サイトでは、手ごろな価格(アフォーダブル)の家賃とは収入の40%を超えないことと定義されているが、マンハッタン区の平均家賃は3092ドルで、これを無理なく支払うには時給に換算して44.60ドル(約5393円)の収入を得ることのできる仕事が必要となる。ブルックリン区の平均家賃を無理なく支払うには時給35.87ドル、クイーンズ区では29.21ドル、スタテン島では26.21ドル、ブロンクス区では21.26ドルがそれぞれ必要となる。
 市で最も平均家賃が高い地域は、5898ドルのセントラルパークサウスで、最低賃金労働者が無理なく家賃を支払うためには週389時間の労働が必要となる。最低賃金労働者にとって最も無理なく暮らせる地域は、平均家賃946ドルのブロンクス区のスロッグスネックで、時給13.64ドルの収入があれば手が届く。これ以外にも、時給15.76ドルの収入があれば暮らせるスタテン島のニュードープ、16.45ドルのブロンクス区ハンツポイント、17.09ドルのクイーンズ区ファーロッカウェーなどがある。
 ニューヨーク州労働局によると、市ではおよそ26万7000人が最低賃金で働いているという。

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