元プロテニス選手を誤認逮捕 NYPDに人種差別疑惑浮上

 世界ランキング4位にもなった元男子プロテニス選手、ジェームズ・ブレーク氏がニューヨーク市警察(NYPD)によって誤認逮捕された。
 ブレーク氏は9日、マンハッタン区のグランドハイアットホテルから全米オープンテニスの会場へ向かう途中、白人警察官5人に地面に倒され、手錠をかけられた。警察官は、ブレーク氏が当事捜査中であった携帯電話盗難事件の容疑者だと勘違いして15分間拘束したが、のちに誤認逮捕だということが判明した。
 ブレーク氏は「ホテルの前で立っていたところ、突然後ろから拘束され、地面に投げ倒された。恐ろしかったし、異常な出来事だった」と逮捕当時を振り返った。「おそらく私の肌の色が関係していると思っているが、どちらにせよ、人が人にする行為ではない」と警察官の行動を批判した。
 今回の一件は、ブレーク氏が黒人であることも関係しているのではとの疑いが持たれている。NYPDのビル・ブラットン長官は「ブレーク氏が容疑者に似ていたため、警察官が勘違いしたのであり、人種は一切関係ない」と人種差別疑惑を否定した。ブラットン長官によると、NYPDに協力した目撃者がブレーク氏を事件関係者と見誤ったようで、この件について10日、公式に謝罪した。