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共同通信
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東日本大震災で津波被害に遭うなどし、高台や内陸に移転整備された岩手、宮城、福島3県の住宅地区290のうち、約3割の83地区が、想定される最大級津波の浸水域に含まれることが9日、共同通信の取材で分かった。移転完了後に震災の規模を超える新たな津波想定が出たことが背景にあり、住民は、安心と考えた移住先で再び津波への備えを求められる。自治体は避難訓練など防災対策の強化に取り組む方針だ。11日で震災12年。
国の「防災集団移転促進事業」(防集)で移転整備された地区を対象として1~2月にアンケート。沿岸の全37市町村が回答した。浸水想定は、3県が日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震や東日本大震災級の地震などを想定し2022年に公表した。
回答によると、26市町村が防集を実施し、このうち21市町の83地区が浸水域に含まれるとした。内訳は岩手が5市町12地区、宮城が11市町57地区、福島が5市町14地区。
最大浸水深は、住宅1階が被災するレベルの「3メートル以下」の地区が約半数を占めた。