カフェでDV被害者を雇用 起業と社会貢献同時に実現

 今秋オープン予定の「ハイブリッジ・コールドブリュー」は、流行の水出しコーヒーを地域の住民に提供するカフェだ。しかも、オーナーのダイアナ・サリセティさんは、この店でおいしいコーヒーを作るだけでなく、家庭内暴力(DV)の被害者に職業訓練と雇用を用意することで社会貢献も実現しようとしている。
 ハーバード大卒の弁護士だったサリセティさんは、以前からビジネスと社会貢献が両立できる仕事をしたいと考えていた。DV被害者が救済プログラムで美容師の資格を取得し自立したという話を聞き、このカフェのアイデアを思いついたという。
 サリセティさんは今秋の営業開始に向け、既にブロンクス区にあるスモールビジネス向けインキュベーター(新規産業育成のための施設)のアーバン・ホライズン・キッチンから同施設の業務用厨房の使用許可を受けており、ニューヨーク州農業局から食品取扱免許が発行され次第、同施設でコーヒー製品の製造を開始する予定だ。
 また、市内にあるDV被害者の救済団体と連携に向けた話し合いを進めており、同店でコーヒー製品などの販売、マーケティングなどの店舗運営に携わる人材を雇用し教育することで、被害者たちの経済的自立につなげたいと意欲を燃やしている。