10日午後10時半ごろ、ニューヨーク州都市交通局(MTA)のG線ブルックリン行きの列車が、ホイット・シャーマーホーン駅手前で脱線事故を起こした。このため約100人の乗客は全員列車を降り、徒歩でトンネル内を通り駅まで誘導されて避難する事態となった。
事故後の車内にはニューヨーク市消防局(FDNY)の消防士やニューヨーク市警察(NYPD)の警察官、MTAの係員らが乗り込み順次乗客を誘導したが、数人の乗客がその様子をビデオに録画しユーチューブなどに投稿した。
そのなかのひとつ、セフィロス・エグレットさんの投稿した動画には、消防士が冗談を言うことで不安といら立ちの混ざる車内の空気を、一瞬にして和ませる様子が収められている。
車両連結部のドアを開け、現れた消防士の1人が「やあ、皆さん」と声をかける。乗客の1人がやや緊張気味の声で「やあ」と答える。「皆さん大丈夫ですか?けがはないですか?」と消防士。「いいえ」と乗客がまばらに答える。そこで消防士は「怖くておもらししそうな人は?」と一言。緊張と恐怖で張り詰めた空気がこのジョークでほぐれ、乗客は皆笑い出したという。