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共同通信
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1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件を巡り、死刑が確定した袴田巌さん(87)の第2次再審請求の差し戻し審で、東京高裁は13日午後、再審を認めるかどうかを決定する。2014年の静岡地裁の開始決定を高裁が18年に退け、最高裁が20年に差し戻していた。
差し戻し審では、確定判決が「犯行着衣」とした衣類5点に残っていた血痕の変色状況が争点になった。衣類は事件から約1年2カ月後、袴田さんの勤務先だったみそ工場のみそタンク内から従業員が見つけた。血痕には赤みがあり、最高裁は血痕がみそ漬けされた場合、どう変色するのか検討するよう求めていた。
弁護側は差し戻し審で法医学者の実験に基づく鑑定書を提出。ヘモグロビンの赤色が次第に失われ「数カ月で黒色化し、1年以上では赤みは残らない」として、衣類は捏造証拠だと主張した。検察側は独自の実験を実施し「1年2カ月が過ぎても赤みを観察できた」と反論していた。