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共同通信
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大江健三郎さんが1963年に広島市を訪れ、被爆者や治療に当たった医師らを取材してまとめ、ベストセラーとなった「ヒロシマ・ノート」。ゆかりのある広島の人たちも「ヒロシマの思想をつくった一人だ」「被爆者の思いを代弁してくれた」などと追悼した。
「偉大な作家なのに名誉にこだわらず、平和を求める貴重な存在だった」。広島原爆病院(現広島赤十字・原爆病院)の初代院長、故重藤文夫さん=82年に死去=の長男紀和さん(81)は、在りし日の大江さんをしのんだ。
父の姿は、ヒロシマ・ノートに何度も登場する。「父は言いたいことがたくさんあったが、伝えられなかった。大江さんに書いてもらえてよかった」