工事用仮設屋根に不満の声 景観を損なうと近隣住民ら

 工事現場付近の歩道上に安全確保のために仮設の屋根が設置されているが、それらが街の景観を損なっているとして住民らから不満の声が上がっている。
 この仮設屋根は、通行人を落下物などから守るために、ビルなどの工事現場では設置が義務付けられている。現在市内全体でおよそ7700件ほどの設置許可が出ているが、内1300件ほどは1年以上設置されており、住民らから「見た目が悪い屋根を撤去して欲しい」との声が上がっている。設置が一番多かったのはマンハッタン区で、その中でもアッパーイーストサイドとグリニッジビレッジに全体の半数弱が集中している。
 ニューヨーク市議会議員、ロバート・ロドリゲス氏は工事の遅延が屋根の撤去も遅らせているとし、年間で最低10日は工事していたことを証明した場合のみ、工事業者が設置許可を更新できるという案を、州議会へ提案した。
 また、これらの屋根は高さ8フィート(約2.5メートル)以上であることが定められており、工事現場下にある店舗の看板を隠してしまうため、店舗経営者からも不満の声が出ているという。しかし、マーガレット・チン市議会議員は「全ては歩行者の安全を守るため」と話しており、これからも屋根を巡っては意見の衝突がありそうだ。