The Little Shoe Store

09/23/2015

“小さな”靴屋さん

　「この店の商品は、全てサイズ６以下だと最初に言っておくわね」。店主のシドニーさんがまずお客さんに掛ける言葉。ローワーイーストサイドにある「ザ・リトルシューストア」は、その名の通り小さいサイズの靴ばかりを販売する店だ。同店が扱っているのは女性用のサイズ１〜６までと、とても珍しいラインナップ。サイズ１は、約20センチメートル。とはいえ子ども用ではなく、大人の女性が履くためのハイヒールやパンプス、フラットシューズなど、カジュアルからフォーマルまでどれも普通の靴屋と変わらない。スペインやイタリアから輸入したブランド物に加え、ヴィンテージファッション用品のディーラーである友人から仕入れるという、１点もののヴィンテージ靴もまた魅力だ。

靴好きの女性なら、見るだけでも楽しい商品の数々

　３年半前にオンラインショップとしてスタートした同店。サイズ６以下に特化した靴を扱う店はいまのところ東海岸で唯一、全米でも珍しいという。そのため、国内のみならず海外からの顧客も多い。また、カスタムメイドの靴もオーダーすることができ、「どうしても気に入ったが、自分のサイズが６以上」という人のためには、物によっては６以上のサイズを探し出してくれる。
　「商品が小さいから店舗スペースも小さくて済むわ」とキュートな笑顔を見せるシドニーさん。現在は、これからの季節に活躍する〝小さな〟ブーティーやブーツもたくさん入荷中とのこと。

（左）中綿であたたかいレザーブーティー（右）秋らしいボルドーカラーのスエードブーティー

　季節が変わり秋冬のファッションを楽しみたいころ。小柄な人が自分の体に合う洋服を探すのには、常に苦労はつきもので、靴もまた然り。シドニーさん自身も小柄なため、おしゃれは好きだが昔から自分に合ったサイズのアイテムに出会える機会が少なかったという。しかし今は、そんな悔しい思いをしている女性たちの頼れる味方として、〝小柄さん〟たちの足元のおしゃれを支援している。
　知らずにふらっと立ち寄ったお客さんが、「足の小さい家族や友人に教えておくわ」と笑みを浮かべ店を後にする。