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共同通信
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日常的に人工呼吸器やたんの吸引などが必要な子どもである「医療的ケア児」に関し、家族の相談に応じたり、関係機関との連絡調整に当たったりする支援センターが2023年度に全都道府県での整備を完了する見通しになったことが19日、分かった。群馬、大阪といった未設置の7府県が23年度当初予算案に関連経費を計上するなどした。孤立しがちな親子を地域で支える体制づくりの第一歩で、今後は市区町村との連携や専門人材の育成が鍵となる。
厚生労働省によると、自宅で暮らすケア児(0~19歳)は全国で約2万人と推計される。医療技術の進歩に伴って新生児の救命率が向上し、約10年間で2倍に増えた。
ケア児は新生児集中治療室(NICU)などに長期入院した後、自宅での生活に移る。24時間付きっきりになる家族の負担は大きく、緊急時の対応方法や、復職するために預けられる施設があるかどうかを尋ねたくても相談先が分からず、自治体の窓口をたらい回しにされることがあった。