相続金の受け取りを待ち3年 マンハッタンのホームレス

 マンハッタン区でホームレス状態で暮らす男性が、友人からの相続金10万ドル(約1200万円)の受け取りを3年以上もの間待ち続けているという。
 ラファエル・レブロンさんが今月初めにマンハッタン区遺言検認裁判所へ提出した宣誓供述書によると、出版社副社長でハーバード大卒のウィンフィールド・フーパッチさん(当時72)は、230万ドル(約2億7000万円)の遺産から10万ドルの現金と犬のラッキーを友人のレブロンさんに相続させると記した遺書を残し、2012年4月3日に死去した。しかし、遺言執行人である同氏の弟トーマス・フーパッチさんは、相続金を渡さず犬だけを引き渡したという。トーマスさんの弁護士は、ウィンフィールドさんから死亡直前に連絡を受け、遺言からレブロンさんの相続分を削除したいとの申し出があったが、新しい遺書の下書きが出来上がる前に同氏が死亡したと主張している。
 レブロンさんはまた、14年間にわたり同区アッパーウエストサイドのウィンフィールドさんのアパートで同居していたが、ウィンフィールドさんが亡くなった途端トーマスさんにアパートを追い出され、ホームレスとなり職も失ったという。レブロンさんは同年、マンハッタン区住宅問題裁判所に、アパートへ戻れるようトーマスさんへの裁判所命令を求め提訴したが、棄却されている。
 レブロンさんの代理弁護士はその後、トーマスさんの弁護士に4万5000ドルでの和解を提示し、和解の準備が進められていたさなか、レブロンさんとは連絡がつかなくなり、レブロンさんはホームレス生活を送っていたという。