営業秘密侵害事件、最多の29件

Published by
共同通信

 2022年に全国の警察が摘発した企業情報の持ち出しなどの営業秘密侵害事件は、前年に比べ6件増の29件で、統計を取り始めた13年以降で最多だったことが23日、警察庁のまとめで分かった。近年は増加傾向で、13年(5件)の約6倍となった。摘発人数は前年比4人減の45人、相談件数は1件減の59件だった。

 29件は、競合する回転ずしチェーン「はま寿司」の親会社に在職中、営業秘密を不正取得したなどとして警視庁が「かっぱ寿司」の運営会社前社長を逮捕した事件など。

 営業秘密侵害事件の増加は、雇用流動化で転職が一般的になったことが背景にあるとみられる。外国スパイによる技術情報の流出も懸念され、警察当局は経済安全保障政策として、企業や研究機関に手口や対策を助言する「アウトリーチ活動」を強化している。

 22年の利殖勧誘関連の摘発は前年比9件減の37件で、うち7件が外国為替証拠金取引(FX)や暗号資産(仮想通貨)などのデリバティブ取引を悪用したケースだった。摘発人数は106人で、被害額は157億1050万円。