強制不妊で国に賠償命令

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共同通信
大阪高裁が入る裁判所合同庁舎

 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反として、兵庫県の障害者らが国に計1億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(中垣内健治裁判長)は23日、国に総額4950万円の賠償を命じた。請求を退けた一審神戸地裁判決を変更した。

 同種訴訟は全国11地裁・支部に起こされた。国に賠償を命じた判決は、高裁では今月16日の札幌に続き4件目。地裁を含めると7件目となった。

 2021年8月の神戸地裁判決は旧法を違憲とし、原告らが60~68年に受けた不妊手術を不法行為と認めた。一方で原告らが18年9月~19年2月に提訴するまでに損害賠償請求権が消滅する20年の「除斥期間」が経過したとして賠償請求を退けていた。

 神戸訴訟は、聴覚障害のある小林宝二さん(90)と妻、80代の夫妻、脳性まひのある鈴木由美さん(67)の計5人が提訴した。その後、80代の夫と、小林さんの妻喜美子さん=当時(89)=が死去した。