ロシア連れ去り帰還の子証言

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共同通信
母親と再会し、抱き合うビタリー・ベルタシュさん=22日、キーウ(共同)

 【キーウ共同】ロシアが侵攻したウクライナ東部・南部の占領地から子どもを連れ去っているとされる問題で、ウクライナの団体「セーブ・ウクライナ」の支援で帰還した10~17歳の子ども15人が22日、首都キーウで取材に応じた。ロシアが2014年に併合したクリミア半島の施設で生活させられ「ロシア賛美を強要された」と語った。

 今回帰還したのは17人で、21日にウクライナに戻った。ヘルソン州出身のニーナさん(16)は「もうすぐウクライナ兵や米兵が来て、性的暴行をされるか殺される。逃げよう」と話す知人女性の言葉を信じてクリミアに渡り、その後、半島内の児童養護施設に送られた。女性は姿を消したという。

 帰還した子どもによると、施設では、ロシア国歌の斉唱やロシア語の学習を強要され、懲罰もあった。一方で、ニキータ君(10)はクリミアでの暮らしが「楽しかった」と証言。放課後にはクラブ活動の時間もあったという。ニキータ君の姉、ダイアナさん(14)は「最初は楽しかったが、毎日同じことをするので疲れてきた」と語った。