タクシン元首相、年内にも帰国

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共同通信
インタビューに答えるタイのタクシン元首相

 タイのタクシン元首相は24日、東京都内で共同通信と単独会見した。5月14日の下院総選挙で自派の「タイ貢献党」が圧勝すると表明。軍部の影響力を政界から排除した上で、早ければ年内にも帰国する意向を示した。タクシン氏は首相在任中の汚職罪で実刑判決を受け国外逃亡中で、帰国時には服役する用意があると述べた。

 帰国が実現すれば、タクシン氏を支持する貧困層と、軍を中心とするエリート層の対立が続くタイが、再び混乱に陥る恐れがある。2006年のクーデターで政権を追われ国外に逃れたタクシン氏は「私は16年間も家族と過ごせず十分苦しんだ。あと少し刑務所で苦しむことになっても構わない」と語った。

 タクシン氏の影響力は根強く、今回の総選挙では次女ペートンタン氏がタイ貢献党の首相候補になる予定。実刑判決が帰国の障害となっていた。

 タクシン氏は500議席を争う下院総選挙で、タイ貢献党が「地滑り的勝利」を収めると指摘。「310議席獲得も可能だ」とし、親軍派政党と連立しなくとも政権は樹立できると述べた。(共同)