9月28日、スーパーマーケットのホールフーズが、全体の1.6%にあたる1500人を解雇する予定であると発表した。
同社は、「これからも顧客へ低価格で良い品を届けるために必要なこと」であるとしている。全米で新たに100店舗を開店させて2000ほどのポジションを募集していた矢先のニュースだけに、驚きと落胆とともに各メディアが報じている。
悪いニュースは続くようだ。ことし夏には、ニューヨークのユニオンスクエア店での量り売りを内密に捜査したところ過剰に料金を徴収していることが報じられるなど、「ホールフーズ神話」は崩壊しつつある。崩壊の一途は、昨今の同社の株価に顕著に現れており、4年でおよそ半分近くになるほど急激に落ち込んでいるという。この大量解雇も、同社にとって影響は少なくない。フォーブスによると、「同社はこの市場で、ロールモデル的な役割を果たしてきた。従業員の満足度も高く、社会保障による手当も充実していて、働くのに良い場所というイメージが強かった。この解雇のニュースは大きい」と報じている。
健康でいたいという人類の野望は強く、丁寧に作られた商品には金がかかることを誰もが承知していながら、これだけ多くの商品や企業が“氾濫”する世の中で一度下げた価格を上げることは難しく、一度離れた消費者を取り戻すのは企業にとって至難の技だ。企業や店のサービスの善し悪しは、そこで働く従業員で決まるところは大きい。ホールフーズは今、岐路に立たされている。