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共同通信
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米軍主導のイラク戦争後の復興支援として現地に派遣された陸上自衛隊の心のケアを担った元陸自医官で精神科医の福間詳氏が、作成したメモの詳細を25日までに共同通信に明かした。宿営地にロケット弾が2004年10月、初めて着弾した際、警備の隊員が「パニック状態に陥り、発砲」していた可能性に触れるなど“戦地”に立つ隊員の「緊張と恐怖」が生々しく記されている。
イラク開戦から20日で20年。安保政策の転換で自衛隊の役割が大きく変容する中、前線を担った隊員の心情や宿営地の様子を伝える貴重な資料だ。防衛省が公表したイラク派遣部隊の日報にこの日の記述はない。
メモによると、南部サマワ郊外の宿営地にロケット弾が初着弾したのは04年10月22日午後11時過ぎ。4カ所のやぐらで警戒していたのは2人一組の計8人で、翌日に福間氏らが面談した。20代の隊員は「頭の上をごう音とともに通過していった。発射したと思われる場所はずいぶん近く見えた。恐怖感を覚えた」と吐露した。