障害児「共に学ぶ」後退も

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共同通信
都道府県の要請状況

 特別支援学級の障害児が通常学級で学ぶ時間を週の授業の半分以下とするよう求めた文部科学省の通知を巡り、31都道府県が通知に沿って授業数を制限するよう市区町村教育委員会に要請していることが26日、共同通信の調査で分かった。実際の運用は市区町村や各学校が決めるが、国や都道府県の意向が与える影響は大きく、教育現場に混乱も出ている。

 障害者団体や一部保護者は、障害のない子と「共に学ぶ」教育の流れに逆行すると反発。文科省は「支援学級で半分以上過ごす必要がない子どもは通常学級へ在籍変更するよう促すのが通知の目的だ」として後退を否定しており、議論は平行線のままだ。

 文科省は昨年4月の通知で、支援学級で学ぶべき時間の「目安」として1週間の授業の半分以上を確保するよう求めた。

 共同通信は3月までに、各都道府県にアンケートを実施した。通知自体は全都道府県が市区町村に転送していた。その上で2023年度からの実施を求める3県を含む23都道県が「原則目安通りの運用を求める」と回答。8府県では既に同趣旨の運用基準があった。