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共同通信
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【マニラ、ワシントン共同】日本、米国、フィリピン3カ国が安全保障担当高官による協議の枠組みを創設する方針を固めたことが28日分かった。4月にも初会合の開催を検討している。日米には東・南シナ海で軍事活動を活発化させる中国への抑止力を強化し、台湾有事への備えも進める狙いがある。フィリピンのアニョ国家安全保障補佐官(閣僚級)や米政府筋が明らかにした。
アニョ氏側近は岸田政権から提案を受けたと述べた。日米は台湾やシーレーン(海上交通路)に近い戦略的要衝のフィリピンを反中陣営に引き込もうと働きかけを強めている。「日米比のトライアングル防衛協力」(外交筋)に向けて将来的な共同訓練を模索しており、フィリピンに3カ国の安保連携合意も提案している。
フィリピンのマルコス政権は中国と南シナ海問題で対立しつつも一定の関係維持を模索。微妙なバランスを取るためにも日米の後ろ盾を得る必要に迫られている。南シナ海での日米などとの共同巡回を目指すほか、防衛当局間の交流も加速させる考えだ。