防衛費増額の財源法案が審議入り

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共同通信
開かれた衆院本会議=6日午後

 防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案が6日、衆院本会議で審議入りした。「防衛力強化資金」を創設し、2023年度予算に計上した4兆5919億円の税外収入を複数年度にわたって活用する措置を盛り込んだ。立憲民主、共産両党は法案に反対する方針。与野党には政府が年内の詳細決定を目指す防衛増税にも異論が強い。反撃能力(敵基地攻撃能力)の行使を可能とする安全保障政策の転換の是非とあわせ、激しい論戦が展開される見通しだ。

 本会議には岸田文雄首相が出席。質疑に先立ち、鈴木俊一財務相が法案の趣旨説明を行い「わが国の防衛力の抜本的な強化や安定的な防衛力の維持に充てる」と述べた。

 政府は昨年末、23~27年度の5年間で防衛力を抜本的に強化し、総額43兆円程度の防衛費を投じる方針を決めた。現行水準から増やす17兆円程度の財源は、歳出改革で3兆円強、決算剰余金で3兆5千億円程度、税外収入で4兆6千億円程度~5兆円強を捻出し、残りを増税や建設国債などで賄う方針だ。