高給もらっても仕事もらえず 元年金基金職員が苦悩を告白

 ニューヨーク市最大の年金基金の元職員が、給料は支払われるものの仕事をさせてもらえず病気になったと訴えている。
 1998年から市職員退職年金基金(NYCERS)に勤務していたニキ・マーフィーさん(55)は、過去10年間に130万ドル(約1億5724万円)の給与を受けていたが、同基金の元理事長だった夫が退職制度について批判的なブログを開設していることから、仕事を与えてもらえなかったという。
 仕事を求めると、上司から「ジョン・マーフィーと結婚しているから、内情を知られるわけにはいかない」と拒否され、職場ではすることがなく、映画を見たり編み物をしたり、オンラインの授業を受けるなどして時間を潰していたという。こういった待遇によるストレスから、マーフィーさんは2013年急性潰瘍性大腸炎にかかり、昨年は重度の心臓発作を起こしている。
 バイパス手術後職場に復帰したが、待遇は変わらなかったため、年金受給資格が生じる2年前のことし5月に退職した。
 夫のジョンさんは理事長当時、恋愛関係にあったマーフィーさんを昇進・昇給させたことで05年に退職を強いられた。ジョンさんの退職後、マーフィーさんは降格され給与も減額された。
 ジョンさんは市を訴えたが敗訴し、08年から「NYCERSインフォ」という同基金を批判するブログを始めた。2人は10年に結婚した。