激戦地バフムト2~3月は壊滅的

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共同通信
ウクライナ東部ドネツク州バフムト近郊の前線で活動するウクライナ兵=3月10日(アナトリア通信提供・ゲッティ=共同)

 【キーウ共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は8日、交流サイト(SNS)に流出したウクライナ侵攻を巡る米国の機密文書に、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトで2月下旬から3月上旬、ウクライナ軍が補給路の維持に苦しみ、危機的な状況にあると分析した記載があったと伝えた。ウクライナ国防省のブダノフ情報局長が状況を「壊滅的」とし、精鋭部隊を約2週間投入することを提案していたと指摘した。

 文書は「2月25日時点でバフムトはロシア軍にほぼ包囲された」と指摘した。タイムズによると、米国はウクライナの軍や政府の高官らをスパイしているもようで、ウクライナ軍の戦略を把握することに苦戦していることがうかがえるという。

 機密文書は最近ツイッターや通信アプリのテレグラムで拡散し、ウクライナ側はロシアの関与を主張している。

 バフムトでは約10カ月にわたり戦闘が継続。英国防省は今月7日の分析で、3月末から失速していたロシア軍が勢いを取り戻し、市内中心部に侵入した可能性が高いと指摘した。