“荷物おばさん”に退去命令 NYPDがホームレス対策強化へ

 26日、地下鉄1番線の66丁目駅構内に大量の荷物とともに住み着いているホームレスの女性に対し、ニューヨーク市警察(NYPD)が立ち退きを求めた。
 ホームレスが地下鉄駅構内に住み着くことは、昔から市で問題となっている。今回警察が立ち退きを求めた女性は、数カ月前から同駅のプラットホームに居座っており、彼女のまわりには20袋ほどのごみ袋に詰められた荷物が散乱していたという。
 駅の中だけでなく車両の一角を荷物で占領する姿なども目撃されていた彼女に対し、ニューヨーク州都市交通局(MTA)から「乗車賃を払ったからといって地下鉄の駅に居住されては困る」との指摘があり、NYPDが対策に乗り出し、彼女に駅から退去するよう命じた。
 NYPDによると、駅に居住しているホームレスの持ち物を撤去することはできても、違法行為を行っていない限り、その人に直接退去を求めるのは難しいという。しかし、MTAのアンドリュー・アルバート氏は「ホームレスが駅に居座るのは周囲の迷惑になるだけでなく、地下鉄の排気ガスが充満している環境がホームレスの健康状態を害する恐れがある」と述べ、ホームレスを環境の整ったシェルターへ誘導するよう、NYPDに対策の強化を求めている。