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共同通信
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沖縄県宮古島周辺海域で消息を絶った陸上自衛隊のUH60JAヘリコプターはエンジンを2基搭載し、安全性が高い機体として知られる。直前まで異常はなく、専門家は「気象など突発的なトラブルで、姿勢を立て直す間もないまま墜落した恐れがある」と指摘する。
ヘリは動力を失っても、降下で生じる気流を上部の回転翼で受け止めることで、緩やかに高度を下げることができる。陸自によると、事故機は1999年2月に製造されて約2600時間飛行しており「古くも新しくもない」という。
航空機の安全に詳しい元国土交通省航空局安全部長の高野滋氏は「ねじやナットが規定の力で締められていなかった場合、飛行中の振動で徐々に緩んでしまう恐れもある」と話す。
偵察のため低い高度を飛んでいたとすれば、突発的な下降気流といったトラブルへの対処やSOSの発信が難しくなる。
高野氏は「同じ系列の機体は世界各地で長期間運用され、原因調査には機体やフライトレコーダーの発見が欠かせないが、並行して類似事例を探すことも重要だ」と話す。