中電工社員自殺で和解、松江地裁

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共同通信

 広島市の電気設備工事会社「中電工」の社員だった男性=当時(44)=が2020年に自殺したのは、職場のパワハラが原因として、遺族が同社や上司に計約6千万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が松江地裁で成立したことが19日、遺族側代理人への取材で分かった。3月29日付。和解内容は非公表。

 中電工は「双方が納得した形で和解に至ったと考えている」とのコメントを出した。

 遺族は取材に「(中電工には)社員が亡くなったことを重く受け止め、このようなことを二度と起こさず、悲しい思いをする人が絶対に出ないようにしてほしい」と語った。中電工が「真心」を社是に掲げていることに言及し「本当の意味で『真心のある会社』にしてもらいたい」と訴えた。

 訴状によると、男性は1994年に入社。96年に隠岐営業所(島根県隠岐の島町)に赴任し、18年に現場の副責任者となった。20年9月28日に遺書を残して自殺した。上司から日常的に「おまえはダメなやつだ」「辞めてしまえ」などと叱責されたのを苦に自殺したと主張していた。