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共同通信
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中国上海市で昨年11月、新型コロナウイルス対策に白い紙を掲げて抗議する「白紙運動」に参加し、一時拘束された男性が23日までに、留学先のドイツから共同通信のオンライン取材に実名で応じた。警察がデモ参加者を無差別に連行し、集団リンチのような形で排除したと証言。拘束中の参加者全員の釈放へ向け中国に圧力をかけるよう、国際社会に訴えた。
封鎖や厳しい行動制限を伴う強権的な「ゼロコロナ」政策は抗議を受けて撤回に追い込まれた。習近平指導部はデモ参加者を拘束し、関連情報を統制。庶民の不満を力で抑え込む姿勢が改めて浮き彫りとなった。
証言したのは黄意誠さん(26)。デモ参加者が実名で取材に応じるのは異例だ。警察が目を離した隙に逃走したという黄さんは「私は獄中にいたかもしれない。逮捕された人たちのために全世界に真相を知らせたい。もう中国には戻れない」と覚悟を強調。上海市警察は黄さんの海外での言動が「国家政権の転覆」に当たるとして上海在住の両親を脅しているという。