長きにわたり協議されてきたニューヨーク市のパンダ誘致論争がようやく前進した。これまでビル・デ・ブラジオ市長が首を縦に振らなかったものの、ある条件と引き換えにブロンクス動物園へのパンダ誘致案を市長が承認したと発表された。
現在米国では、ワシントンD.C.やアトランタなど4つの動物園でジャイアントパンダが飼育されているが、一部議員によりニューヨーク市内の動物園にも中国からパンダのつがいを誘致する案が数年前より提案されていた。しかしパンダを飼育するには餌代や飼育員の人件費などを合わせて年間約100万ドル(約1億2000万円)ほどかかるといわれており、財政的に多大な負担をかけ兼ねないと判断した市長は賛同せず、協議は平行線をたどっていた。
しかし、推進派と市が協議を重ねた結果、パンダの飼育費を税金では負担せず、寄付金や民間投資などで全額負担するという条件のもと、市長がようやく承認。この案を進めてきたキャロライン・マロニー下院議員は、「やっと市長の支持を得ることができ、喜びでいっぱいだ。多くの子どもたちにもパンダに会いに来てほしい」と述べている。
市は既に中国政府へパンダ輸入の申請を行ってるといい、市民にとってはお披露目となる日が待ち遠しい知らせとなった。