心のケア提供する新計画 疾患の身内持つ市長の思慮

 ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は23日、イーストハーレムで行われた記者会見で、心の病を患うニューヨーカーに精神的ケアを提供するという新しい長期計画「スライブNYC」について発表した。
 同計画は市が8億5000万ドル(約1000億円)を投資し、4年間にわたって約25万人にメンタルヘルス応急処置の訓練を施したり、医師によるメンタルヘルス医療チームの各地区への配置など、54の取り組みが行われる。会見ではデ・ブラシオ市長の妻シャーレーン・マックレイさんが、スライブNYCのロードマップを紹介した。
 メンタルヘルス応急処置の訓練では、精神疾患の兆候の見分け方や効果的な支援の方法などを教える。また、年齢層や加入している保険に見合った精神疾患医療機関をオンラインで検索できるサービスも開始される。市保健局(DOH)の最新の調査によると、市の成人の5人に1人が何らかの精神障害を経験しているという。また、市の公立高校生の8%が自殺未遂を図った経験があると報告されている。
 デ・ブラシオ市長は会見で、第二次世界大戦に出兵した経験がトラウマとなり精神を患い、アルコール中毒となった末自殺した父ウォーレン・ウィルヘルムさんや、うつ病で薬物を乱用していたことを2013年の末に発表した娘のキアラさん(20)について触れ、言葉を詰まらせる場面もあった。

市の公立校に通う生徒の多くも心の問題を抱えているという(スライブNYCのロードマップより)