力による現状変更認めず

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共同通信

 【カイロ共同】岸田文雄首相は30日(日本時間同)、中東・アフリカの大国エジプトのシシ大統領とカイロで会談した。法の支配に基づく国際秩序を守る重要性と、力による一方的な現状変更は認められないとの認識を共有。ロシアによるウクライナ侵攻を念頭に置いた。戦闘が続くエジプトの隣国スーダン情勢の早期安定に向けた緊密連携も確認した。岸田氏はアフリカ各国への関与を強化し、5月19日からの先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)へつなげる狙いだ。

 岸田氏は会談後の共同記者発表で、ウクライナ侵攻は「国際秩序の根幹を揺るがす暴挙」と非難。「戦争被爆国としてロシアによる核の威嚇を断じて受け入れられず、その使用はあってはならない」と訴えた。

 両首脳は、スーダンで2021年に起きたクーデター後の民政移管プロセスの再開に向けた連携も確認した。岸田氏はG7議長として、事態沈静化へ積極的に貢献したいと強調し、難民や避難民への緊急人道支援の用意があると伝えた。