全米鉄道旅客公社、アムトラックはこのほど、ハドソン川にニューヨーク州とニュージャージー州を結ぶ新たな鉄道用トンネルを建設する「ゲートウェイ計画」の実現には、民間からの資金が必要であると発表した。
連邦政府は先月初め、ハドソン川の下に複線トンネルを建設し、同時に周辺地域の鉄道用インフラ設備の改善を行うという同計画の建設費用200億ドル(約2兆4500億円)の半分を負担することに合意しているが、残りの費用は両州が負担することとなり、両州の財政面を考慮すると民間資金に頼らざるを得ないという。
同計画は、民間資金と公的資金を併用して行われる計画として全米最大規模となり、財政的制約と老朽化したインフラ設備の改善に民間資金の投入を求める声の高まりを反映したもの。第一段階にあたる環境再調査および技術面での準備作業には最高4年を要するというが、2016年には工事を開始することが可能であり、工事および修理の完了までに最高20年ほどかかるという。
同エリアでは、今後25年間で16%人口が増加すると予測されているが、ニューヨーク・ニュージャージー州港湾公社(PA)は、同計画により人口の増加に対応できるようになるという。
PAのインフラ設備は、国内総生産の4分の1を生み出す半径250マイル(約400キロメートル)の同地域をカバーする規模となる。