鉤十字を平和の象徴と説明 エリート高校が窮地に

 ブロンクス区リバーデールの私立学校が、ナチス・ドイツのシンボルである「スワスティカ(鉤十字)」を「平和の象徴」と生徒に説明していたことが分かり、波紋を呼んでいる。
 同区のエシカル・カルチャー・フィールドストン・スクールで先月初め、6年生の生徒が芸術のクラスで鉤十字の絵を描いていたことが明らかとなり、学校職員は同学年の全生徒を集め集会を開いた。集会において教師らは、ある文化では鉤十字は神聖なシンボルと考えられていると説明し、ナチス・ドイツが鉤十字をシンボルとして採用した経緯については簡単に触れただけで、ホロコーストに関しての説明は全くなかったという。これを知った保護者や地元住民の間では、「教育の怠慢」、「まるでヘイトクライム(人種差別犯罪)」との批判の声が上がった。
 学校職員は先週末、保護者らにEメールを送信し、ニューヨーク・ポストが、「ある生徒が『ヒトラーはかっこいい』とノートの表紙に落書きしていたことなど、同校内で少なくとも8件の鉤十字に関わる事項が見つかっている」と報じたことに触れ、感性豊かな生徒を育成するために学校のカリキュラムを見直すこと、また全校集会を開き生徒に謝罪することなどを伝えた。
 同校は、授業料が年間4万5100ドル(約550万円)もするエリート校として知られている。