首相「全ての世代で支え合う」

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共同通信

 参院厚生労働委員会は9日、75歳以上の公的医療保険料を2024年度から段階的に上げる健康保険法などの改正案を巡り、岸田文雄首相が出席し質疑を実施した。首相は「少子高齢化が急速に進む中、社会保障を持続させる観点から、負担能力に応じ全ての世代で支え合う仕組みの強化が重要だ」と述べた。自民党の藤井一博氏への答弁。

 首相は質疑で、医療機関でかかる出産費の値上げ動向について「今後、厚労省で必要な調査を行いたい」と表明した。子どもを産んだ人への「出産育児一時金」が4月、42万円から50万円に増額されたのに伴い「便乗値上げ」の動きがあると指摘されるため。公明党の若松謙維氏への答弁。

 出産(正常分娩)は現在、医療機関が自由に価格を設定。首相肝いりの少子化対策で4月に一時金を増やしたが、医療機関が値上げすると支援の効果は薄くなる。

 委員会に先立つ理事会で、与野党は11日の委員会で採決する日程に合意した。改正案は週内に成立する見通し。

 保険料上げは、年金収入が年153万円を超える人が対象で、75歳以上の約4割に当たる。