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共同通信
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核廃絶を訴えるカナダ在住の被爆者サーロー節子さん(91)が10日、ゆかりのある関西学院大(兵庫県西宮市)から名誉博士学位記を授与された。サーローさんは記念講演し、学生ら約400人に「長年の活動で目にしたのは軍事力と経済力を盾に自国の利益と権力を追求する核保有国の横暴ぶりだった。核軍縮への法的責任を無視し続け、一歩の前進も遂げていない」と語った。
遠縁にあたる岸田文雄首相について「核のない世界を求めるのがライフワークと言いながら、核抑止論を基盤とする米国の核政策に同調している。つじつまが合わない」と批判。その上で「皆さんの周囲にいる専門家の支えを得て、日本政府の矛盾に満ちた核政策を学び、政府にあなた方の声を届けてください」と呼びかけた。
会場ではサーローさんが創設時から関わる非政府組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が2017年12月にノーベル平和賞を受賞し、被爆者として初めてスピーチした際の映像が流れ、終了後に盛大な拍手が送られた。