クイーンズ区アストリアでハラールフード店のオーナーが暴行された事件を受けて、ヘイトクライム(増悪犯罪)は断固許さないと、近隣住民らが立ち上がった。
ことの発端は23丁目にあるハラールフード店、ファティマ・フードマートで5日に起きた暴行事件。ピーロ・コルバーニ容疑者が店長のサルカ・ハークさんに突然襲いかかり、「イスラム教徒はみな殺しにしてやる」などと叫びながら数分間にわたってハークさんを殴り続けた。ニューヨーク市警察(NYPD)はイスラム教徒に対するヘイトクライムである可能性があるとして捜査を進めており、ハークさんは「30年間アストリアに住んできて、一度もこのような身の危険を感じたことはなかった」と話す。
この事件を受けて、住民らがハークさんとともに差別に反対する運動を立ち上げた。10日は地元議員らが米国イスラム協会の代表らとファティーマ・フードマート前で差別反対デモを行なったほか、アストリアでヨガスタジオを経営するアン・マーガレット・レディングさんが統率役となり、店舗前で参加者と瞑想を行う平和的デモも実施されたという。この運動はフェイスブック(facebook)でも広がっており、「多様性の象徴であるアストリアに差別や偏見はいらない」と多くの人がハークさんを応援する声を寄せている。