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共同通信
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【ワシントン共同】オバマ米政権で駐日大使を務めたジョン・ルース氏は12日までに共同通信の取材に応じ、「核兵器なき世界」の理念を継承するバイデン大統領の広島訪問は被爆地から核軍縮・不拡散の機運を高める上で「極めて重要だ」と強調した。広島選出の岸田文雄首相と協力し「米国と日本が核廃絶の目標に向かって先頭に立ち続けてほしい」と語った。
バイデン氏は先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)出席へ、17日に米国を出発する予定。現職米大統領の広島訪問は2016年5月のオバマ氏に続き2人目となる。
ルース氏は、ウクライナ侵攻を続けるロシアが核使用の脅しを繰り返し、中国は核弾頭の数を拡大、北朝鮮やイランも核開発を進めている現状を憂慮。「世界を見渡すと安全保障環境はとても脆弱だ。軍事的にも政治的にも多くのリスクがある」とした。
「新たな脅威が出現している。核使用の可能性をなくすため、できる限りのことをしなければならない」と訴え、広島サミットは核不使用への決意を示す「象徴的」な機会になると指摘した。