ホームレス対策局長が辞任 「不適任」との意見多く

 ニューヨーク市で急増するホームレスへの対策が迫られるなか、ビル・デ・ブラシオ市長は15日、ホームレス・サービス局(DHS)のギルバート・テイラー局長の辞任を発表した。
 テイラー氏は来年1月1日付で同職を辞任するが、その後は市庁舎顧問に一時就任する。マイケル・ブルームバーグ前市長の下では児童サービス局の局長を務めていた同氏だが、DHSでの評判は芳しくなく、関係者からは辞任にあたり「同職には不適任だった」、「同局の改善のために市長に指名されたが、失敗に終わった」などの意見が上がっていた。先週行われた市議会公聴会では、市の路上で暮らすホームレスの数を把握していないことが明らかになっていた。
 デ・ブラシオ市長の就任以降、約5万3000人だったDHS監督下のシェルター利用者の数が5万7000人以上に増え、最も多い時期では5万9000人以上の利用が確認されている。
 最新の世論調査では、市でのホームレス急増に対する市長の対応に不満を示した市民は62%だった。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は先月、「市長では対応できない」として、同問題の解決に州が介入する意向であることを発表している。
 DHSは22年前、ホームレス問題に集中的に取り組むために設立されたが、直近の数カ月ではその機能を果たせずにおり、人的資源管理局が市のホームレス対策において重要な役割を果たしているという。