パリの名門料理学校ル・コルドン・ブルーを米国内で運営するキャリア・エデュケーション・コーポレーションは16日、資金難を理由に国内の全16校を2017年までに閉校すると発表した。
料理研究家のジュリア・チャイルドさんなどの著名人を輩出したことで有名な同校だが、国内では卒業生らが「高い授業料を払って卒業しても、それに見合った収入のある職に就けない」として集団訴訟に発展。原告団は「卒業後の進路を過大に宣伝し、生徒を募った」と同校に損害賠償を求めた。
訴訟では原告の1人が「年間でおよそ4万2500ドル(約510万円)もする学費を払ったのに卒業後は時給12ドルの職にしか就けなかった」などと証言し、2013年に学校側が4000万ドル(約48億円)を支払い和解したが、同社にとってはこれが“破滅”へのきっかけとなった。
さらに昨年7月には連邦政府が、高い学費に対して卒業後の収入が低い学校を取り締まるための法律を施行し、同校はこれに該当するとして政府からの補助金が打ち切られた。また上院の報告でも同校は「中途退学率と学生ローンの債務不履行率が非常に高い学校」として取り上げられ、学生の減少につながった。
同社は、料理学校以外にも職業訓練校24校を運営しているが、これらも全て閉校するとしている。