原告のSNSで証拠集め 被告によるアクセス不許可 

 ニューヨーク州高位裁判所は17日、被告の弁護士が証拠を集めるために、既に閉鎖した原告のフェイスブック(facebook)のアカウントへアクセスすることを許可した下級審判決を覆す判決を下した。
 マンハッタン区でインテリアデザイナーとして働いていたケリー・フォーマンさん(36)は2011年6月、当時、友人関係にあったマーク・ヘンキン被告(60)が所有する馬に乗っていたところ、あぶみと鞍をつなぐ革ひもが切れたため落馬した。その事故で脳に損傷を受けて読み書きができなくなり、回復不能な肉体的および精神的、心理的な損傷を受けたという。フォーマンさんは、落馬の責任は同被告が馬具の手入れを怠ったことにあるとして、同被告を高位裁判所に訴えた。
 第一審で同裁判所は、フォーマンさんが事故前後に同サイトに投稿した写真、事故後に投稿したコメントの長さ、件数、頻度などを調べるために、事故から数カ月後に、閉鎖されているフォーマンさんのアカウントに制限付きでアクセスする許可を、同被告の弁護士に与えた。しかし同裁判所は、被告によるアクセスを不許可とし、フォーマンさんは裁判で使う予定だった写真だけを提出すれば良いとの判断を下した。
 フォーマンさんは事故により記憶障害を患っているため、事故の後にフェイスブックに写真を投稿したかどうか記憶にないと証言している。