タイ、政権交代へ連立協議開始

05/15/2023

　【バンコク共同】タイ下院（定数500）総選挙は15日までの開票の結果、王室改革を訴える革新系野党「前進党」が151議席で第1党、タクシン元首相派の野党「タイ貢献党」が141議席で第2党となり、両党で292議席を獲得して親軍派に圧勝した。前進党は15日、貢献党などに連立政権入りを要請し協議を開始。14年のクーデター後に続いた親軍政権からの脱却を目指し、連立交渉が本格化する。

　野党2党が交渉の軸になるが、王室改革を巡る立場の違いや、複雑な対立関係が絡み合い、協議は長期化の恐れがある。投票率は75.22％。

　首相指名には軍の支配下にある上院（250議席）も加わる。政権樹立には376議席が必要だ。

　前進党のピタ党首は15日記者会見し、貢献党など5党に連立を申し入れたと表明した。自党を合わせ309議席を確保できると述べ、政権樹立に意欲を示した。

　ただ貢献党は王室改革に慎重な立場。タクシン氏の次女で同党首相候補のペートンタン氏は15日、前進党の申し出を受け入れた上で、政策などを協議すると述べた。