事件記録廃棄「許せない」

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共同通信
神戸市の連続児童殺傷事件で殺害された土師淳君の父守さんが公表した手記

 1997年の神戸市連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君=当時(11)=が殺害されてから24日で26年になるのに合わせ、父守さん(67)が手記を公表した。加害男性(40)の全事件記録を神戸家裁が廃棄したことを「遺族の事件記録を閲覧したいという思いをないがしろにする行為は絶対に許されない。確実な記録保存の手順を確立することが重要だ」と指摘した。

 手記冒頭で「何年たとうとも、亡くなった子供への私たちの想いは変わることはない」とつづった。記録廃棄は「重要事件の記録は永久保存するという最高裁の内規を考慮することもなく廃棄するという行為は、通常の組織ではあり得ない」と批判。裁判所に今後求めたい対応として、報道陣の取材に「事件記録のデジタル化は避けて通れない。作成当初からできる資料は早急にデジタル化することが重要だ」とした。

 2017年まで命日前に届いていた加害男性からの手紙は今年もなかったという。「記録廃棄の報道に加害男性が接することがあれば、私たちの問いに答えるように努力してほしい」と訴えた。