ニューヨーク市のビル・デ・ブラシオ市長とセントラルパーク観光馬車産業は17日、かねてから動物愛護団体などから廃止が求められていたセントラルパーク名物の観光馬車の数を、大幅に減らすことで合意に達した。
現在市には220台の観光馬車が走っているが、同合意の下では、2018年までにこの数を95に削減するという。また、馬小屋は同年10月1日までに公園内に移される。馬小屋は86丁目の公園横断道路付近に建設される可能性が高く、一度に75頭が収容できる大きさで、馬を交代で休息させるという。商用観光馬車用の馬小屋の建設はセントラルパーク史上初となるが、建設資金の調達方法については明確にされていない。
今回の合意には、競争相手であるペディキャブ(自転車タクシー)の85丁目より南での営業を禁止する規定も含まれている。今週中に公聴会が開催され、合意内容が実現されるには、市議会の承認が必要となる。
デ・ブラシオ市長は市長選キャンペーンで、当選の際には観光馬車を全面廃止にすると公約しており、動物愛護団体から約100万ドル(約1億1700万円)に上る支援を受けていた。団体からの経済的支援は現在も続いている。
しかし、市民の大部分が観光馬車廃止に反対しており、市長支持者の中からも反対の声が多く聞かれるため、今回のような妥協的合意に至ったものとみられる。