米国内のクラフトビール醸造所の数が、この1年で過去最高の増加率となったことを全米クラフトビール組合が発表した。多様な銘柄が続々と登場し、人気が高いクラフトビールのブームはことしますます過熱するようだ。
2014年は全米に3040カ所だった醸造所も15年には3739カ所に増えた。1年間で699カ所も新たに建設されており、11年からの調査開始以降、過去最高の増加率となっている。
ビールの感想や口コミなどを共有できるアプリ、アンタップド(Untapped)の創設者、グレッグ・アーヴォラ氏が約300万人のユーザーからデータを集め、嗜好を分析した結果、16年はここ数年過熱してきたクラフトビールブームがさらに盛り上がる年になるのでは、と述べた。「消費者は、独自の風味、うま味を追及したクラフトビールを求めており、そこでしか味わえないご当地ビールの人気が加熱している」とアーヴォラ氏は話す。
アーヴォラ氏はまた、ルートビアやサワービールなどを使った成分に特徴があるビールや、ワイン樽を使うなど製法にこだわりがあるビールなど、一工夫されたクラフトビールが登場し、特にニューヨーク州内の小規模の醸造所では、ますますユニークな味の開発が行われるだろうと予測する。さらに、「地域によって風味が異なる、多種多様なビールを生むことができるため、ビールの醸造には無限の可能性が広がる。今まで以上に新たなことに挑戦する職人も今後、出てくるだろう」とアーヴォラ氏は期待する。