塾や習い事などを新しく始めることが多いこの時期、子どもをどこに託すか悩む親も多い。ヴェリタスアカデミー ニューヨーク校は1997年に開校し、これまで駐在員の子どもを中心に多くの生徒を指導してきた。現地校での学習のサポートはもちろんのこと、帰国入試対策における丁寧な指導と手厚いサポートは、生徒のみならず、その家族からも絶大な支持を得ている。しかし、なんといっても人気の秘訣は個性豊かな講師陣。常に生徒に対して真剣に向き合う、彼らの熱い想いを探った。
一緒に考えてあげられる存在でありたい
田辺先生国語・社会担当(北米責任者)
私の担当している国語、社会の最近の傾向として、基本的な授業の枠組みは変わらないのですが、試験においては記述方式がすごく増えました。発信する力、いわゆるアウトプット力が求められているようです。難しいレベルの学校ほど、その傾向が強いです。問題文があって、その文章自体を要約させたり、その著者の意図をまとめさせたり。また社会も同様で、資料を読んで、内容を読み取り、まとめる力が求められています。
記述力をつけるために、子どもたちには「サービス」を、ご家庭には「ほめる」ことの重要性を強調しています。どちらも「笑顔」がベースです。どうすれば他人が喜ぶかは、実は記述力の根本です。「サービス」が楽しめる子どもになってほしいです。
講師という立場の今後の展望としては、もっと多くの先生に新たに出会いたいです。講師の数を増やしたいとか、塾の規模を大きくしたい、というよりも、塾っていい仕事だと分かってもらえるよう、自分のやってきたことを次の世代に伝えたいです。私と一緒に授業の競争をしたり、同じ題材で模擬授業をして比較したり、志が同じ先生と出会ってケミストリーが起きることを期待しています。最近では、香港の提携塾で交換授業をしました。僕が香港に教えに行って、今度は香港の先生にこちらに来てもらって。とてもいい刺激になりましたね。
最後にこの塾にご興味を持ってくださった保護者の方に対しては、「お子さまの成績を上げます」と、誤魔化さずに伝えたいですね。うちは進学塾ですから。
何を学んだか生徒が即答できなければ、私たちの負け
酒巻先生数学科主任・理科担当
塾での指導は無形のサービスですが、いかに有形化できるかという、形に残すことを考えています。ノートを2冊必ず用意させており、1冊は私の説明を書く説明ノート。もう1冊は問題を解く演習ノートです。そして、その説明ノートは1年間をかけて私の授業を記録してもらい、自分だけのテキストにしてほしい、一生の宝ものにして入試にも持って行ってもらう、そういうものを作れるように心がけています。日本の学校へ入学・転入する場合、ノートの提出が細かく求められたりするので、日本に帰ることを前提に教えています。
ここ数年は、授業が始まる30分前には待合室の大テーブルに座っていて、質問があれば、いつでも快く迎えてあげられるようにしています。一方で、けじめも大事にしていて、教室に入ったら先生と生徒という関係を大切にしています。私の授業は厳しいです。私語は禁止ですし、現地校のように、ガムなどは噛ませません。私は日本でも長く教えていたので、日本の学校で求められていることなどもきちんと理解しています。
こちらで教えるにことついては、必要とされていると感じることが多く、やりがいがあります。日本語で勉強できる場として生徒が大切にしてくれているのを実感しますね。いつも言っているのですが、ニューヨーク一は世界一。自称ニューヨーク一の数学の先生である私に習うのですから、安心してください。
勉強はツール。ここで決断力や努力の仕方を培ってほしい
樋田先生英語担当
小3から高1までの生徒に勉強を教えていますので、授業で求められていることも幅広いですね。現地校に通う生徒さんが多いので、学校の授業のことでも質問があれば、対応します。現地校は宿題の量も多く、結構大変ですからね。簡単な質問であれば、ヒントを出して自身で考えさせますし、難しい内容であれば一緒に考えます。
最近の受験の傾向としては、中学受験ではエッセーが多いです。柔軟な思考力と構成力が求められています。また、時事問題も結構出てきますので、決まった正解がある、というよりは読み手を納得させられる、説得力のあるエッセーを書けるようになる必要がありますね。一方で、高校受験にはエッセーはなくて、大学受験レベルの文法と語彙力が求められますし、固い文章の読解力が必要になります。
また、日々の授業は受験からの逆算になるので、生徒が面接官に対しての振る舞いを考えて、敬語がちゃんと使えるようになることを気をつけています。自分が置かれた状況の理由をちゃんと答えられるようにしてもらいたいなと。例えば遅刻をしたときに、自分の言葉で、なぜ遅れたかを説明できるようになってほしいです。
生徒に対して、常々思っていることは、何か問題が起こった時にしっかりと解決できる能力を備えてほしいですね。勉強は、そのためのツールだと思っています。
教えるだけではなく、生徒の学ぶ力を培う
それがヴェリタスメソッド
小学生から高校生までの生徒を指導するヴェリタスアカデミーは、勉強を教えるだけの単なる進学塾ではなく、もっと子ども自身が学ぶ意欲を培うことができる場所である。大切なのは生徒と向き合うことであり、一方的に教えるのではなく、一緒に考えることを心がけている。カリキュラムやテストのあり方などハード面ばかりに捉われるのではなく、ソフト面、いわゆる人材力を売りにしている。
「学ぶ」ことは、「楽しい」こと。ヴェリタスは生徒たちに、勉強を通してしっかりと判断できる決断力や、努力の仕方を養ってほしいと望む。答えがないような問題が、人生には起きることがある。社会に出た時に、改めてここで培った力が発揮されるだろうと、その大切さを解いている。
子どもが安心して学べる環境作りを
ヴェリタスアカデミーが心がけているのは、生徒が安心して勉強できる環境と、保護者が遠慮なく相談に来られる環境を提供する、ということだ。講師陣自身もいろいろ悩み、試行錯誤をしてきた結果、今がある。保護者にも悩みは共有してほしい、という先生の言葉が心強い。
もし入塾したら、保護者から子どもに聞いてほしいことがあるという。「家に帰ったときに今日何を勉強したの?と聞いてあげてください。そこで子どもが答えられなかったら、私たちの負けです。それだけの真剣勝負でやってますから」とサラリと話す。生徒たちとの絶大な信頼関係があるからこそ言えることだろう。
ヴェリタスのココが好き!
ニューヨーク校
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