ことしに入ってから、ニューヨーク市内の地下鉄で7件もの刃物による殺傷事件が起き、地下鉄利用者の不安が増すさなか、マンハッタン区タイムズスクエアの地下鉄駅で3日、帰宅途中の女性が針のようなもので刺される事件が起きた。
同日午後6時半ごろ、37歳の女性が49丁目駅の改札口を出たところ、見知らぬ男性がぶつかってきた。女性はその際、右肩に鋭い痛みを感じたといい、自宅に戻り女性の夫が右肩を確認したところ、針で刺したような痕が見つかった。
クイーンズ区のマウント・サイナイ病院で女性の肩を診察した救急処置室の医師は、針で刺された傷痕とみて不自然ではないと診断し、ニュ−ヨーク市警察(NYPD)に報告。女性は病院で、警官による事情聴取を受けた。
傷痕が注射針によるものかどうかは断定されていないが、警察は駅構内に設置された監視カメラに手がかりを求め、調査を進めている。
1月に市で起きた犯罪の件数はこれまでになく少なかったものの、地下鉄構内での犯罪発生率は、昨年同時期と比べ36%も増加している。地下鉄網での治安が悪化していることから、NYPDは地下鉄の駅や車両内に配備する警官の数を増やした。また、防犯活動を行うNPO団体、ガーディアン・エンジェルズが地下鉄でのパトロール活動を二十数年ぶりに再開している。